あまおう

2月某日

 

プールで泳いだ後の更衣室から流れてきた曲は一聴して前時代のものだと分かった。同時に名曲のオーラみたいなものを感じることができ、歌が始まった瞬間に吉井和哉の声だと認識する。tiktok出身のアーティストやアイドルが流れる有線が常のジムで、何故イエモンが流れたのか不思議だが、恥ずかしながら俺はこの時初めてイエモンのJAMを聴きました。

昔、渡會さんと五味さんと海北さんの弾き語りスリーマンを見た時、渡會さんがMC混じりに歌った一節のメロディが忘れられなかった。

「この世界に真っ赤なジャムを塗って食べようとする奴がいても」

現場にいながら、誰の何の曲か知らず気になっていた。今のフレーズは古い曲のように思えず、だけど往年の名曲のように思えた。このパンチラインは胸の中にずっと残っていたのだけれど、この日初めて点と点がつながりスピーカーから流れる音をじっと聴き入った。

聴いたことないって、まず恥ずかしいんですけど、この年齢で初めてJAMに触れられて、当時の人達と同じようにシビれることができて、やっぱりホンモノの名曲なんだなと思ったし、その後見たJAMのライブ映像では2番サビをスタジアムの観客に歌わせておりそこで指揮者のような振る舞いをとる吉井和哉がレクイエムを捧げるクロロみたいでめちゃくちゃカッコよかった。

一聴して痺れる曲、この年で知れてありがたいし、そんな曲を作ってみたい。

 

 

渡會さんは海北さんと同じ学校に通っており、同じ吹奏楽部だったと言っていた(気がする)。女子部員が集まるなか、女子の気を引きたくて渡會さんがギターでJAMを弾き語っていたのだけれど、2番のサビからピアノと歌でカットインしてくる海北さんに女子部員みんなの視線が掻っ攫われたというmcをしていた(気がする)が、とんでもないエピソードやな。