1/6 いつでも微笑みを

不思議な夢を見た。
カラフルに咲き乱れる花畑に行くという。思い思いに祈ったり、笑ったりしてる中の一角。なんでやろか、その辺りだけ歪んで見える。瞬きをしても、涙で潤んでも蜃気楼は消えなくて、ずーっと眺めるけれど何も見えなくて。だけど別段怖くなく、揺めく先をずっと探していた。困ったのは、歪んで見えるのは花畑だけじゃなく、帰り道のコンクリート、向かいの待合席までもが蜃気楼で揺れていたこと。不思議に思いながら俺は寄り道をしてから帰る。とても早く起きて身支度をした、あの日の自分に会ってから。


電車での帰り道、俺はこの景色を知っていた。僅かな隙間から間もなく、かつて住んでいた町が見える。俺たちは人生をずっと音楽になぞらえて、死んでいくと思う。いつの間に君も先生になったんでしょうか。今度会う時は誰も知らない一つのことを、教えてほしいなと思います。

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