8/22 アダワキコ

大阪は再び灼熱の夏だった。夏は過ぎるが暑さは残る、秋はまだまだ来ないだろうな。昼から原付のオイル交換へ行き、その後難波で映画を見た。噂の「カメラを止めるな!」だ。誰しもオピニオンリーダーという存在がいると思うが、この映画は先日東京へ行った時にその一人である友人が「今日見た映画がめちゃくちゃ面白かった」と話していたのでずっと見たかった。実際めちゃくちゃ面白かった。今日たまたまこの映画のパクリ疑惑が浮上していたが、その記事のおかげか、スタッフクレジットでパクリ疑惑先の「GHOST IN THE BOX」の名前を見つけることができた。存在ってのは自分の中で認識するところから始まるよなと、スタッフクレジットを見ながら考えてしまって、エンディングに集中できず勿体無かった。


映画を見終わってからは本を読んだ。恩田陸の「夜のピクニック」という小説である。高校が舞台の本なのだが、自分の高校の頃と重ねて読んでしまう。そして読んでる間は学生の頃に戻れる気がするのもいい。一番好きなのが、この本に出てくる女性は凄く素敵に見えることだ。女の子同士の会話の描写がいくつかあるのだけど、自分が高校の頃なんか、まともに女の子と会話したことがなかったから、ましてや当人同士の会話も聞いたことがなかった。だから、女の子同士ってこういう会話をするんだなとつい色々思いを膨らませてしまう。そして、もし次に自分が生まれてくるならば、その時は女性になりたいと思った。そうして初めて自分は女の子の気持ちを理解できるんじゃないか。この感情と同時に、誰よりもやさしくいたいと思う自分の信条を全うするには、今の寿命だけじゃ足りないかもしれないという気持ちも過ぎった。反射的に、くるりの「男の子と女の子」を聴きたくて読む手を止める。

この本はまもなく読み終わってしまう。映画も本も、気心が知れて楽しくなってくると終わってしまうよな。


その後はFunny Funk Fishのソエジマさんとケーキを食べた。スイーツ好きの二人がお洒落なケーキ屋でスイーツを食べている絵が妙に歪で笑ってしまった。自分はチェリーとピスタチオのケーキを注文した。近況を聞いてもらいながら相談に乗ってもらったりしたが、基本ゆっくりした時間を過ごせて楽しかった。ソエさん、ケーキご馳走さまです。



俺は最近、これまで自分の人生で大切だと思っていたことが実は間違っていたんじゃないかと、本当に落ち込んでいた。逃避という発想も浮かんだ。でも、まだ頑張って思い留まることができる気がした。そういうきっかけがあったのだ。
臆病だし、心はきっとすぐに傷付くが、その先にある素直な心の交わし合いをこれからも大切にしたい。